マーケティングにおけるAIの活用事例をご紹介。AIチームでWebマーケティングの工数が約90%削減。

AIの活用を検討していない企業や個人はほとんどいない!というくらい最近はAI活用の事例が転がっていて、私もその事例を参照して社内業務の様々な場面でAIを活用しています。今日はその事例の1つで、Webマーケ関連の業務を担当するAIエージェントチームを構築し、工数が約90%削減できた事例を共有します。

マーケティングでAIを活用してチームを作る

思い立った背景

私が事業責任者に2025年1月に就任したタイミングではまだメンバーの採用ができておらず、数多ある施策やタスクを1人で捌けるだけ捌くような状況でした。マーケティング領域で言うとサービスサイト関連のディレクションや広告の出稿、クリエイティブディレクション。セールスの領域で言うと、リスト作成から展示会への参加、交流会への参加、BDR関連施策のディレクションと実行、商談対応など。

とはいえ、1人で捌ける業務量にはもちろん限りがあるので私の場合は顧客とのコミュニケーションが発生する部分にリソースを当てていました。

その結果、事業全体は成長していけていたのですが既存でお付き合いのある顧客とのやりとりがメインなので新規開拓まで手が回らず成長曲線が鈍化しているような、なんだかもどかしい状況でした。

そこで「データを分析し、仮説を構築し、実行に移す」部分を可能な限りAIに託してみよう!と思ったのがきっかけです。

初期構想

AIを活用してマーケティング業務を回すエージェントチームを作る事例はXなどSNSにもかなりあったので、分かりやすくMCPが使えたり、API経由でデータ引っ張ってこれるような業務の棚卸しをGeminiと会話しつつ進めました。

その結果、初期に構築した組織図としては下記のような形でした。

marketingbiz-team/
├── agents/            
   ├── gm.md           # 意思決定担当
   ├── ad.md           # 広告運用担当
   └── media.md        # メディア運用担当

それぞれの役割の詳細は

  • GM:私と同じく事業のKGIなどに基づいて、広告運用担当やメディア運用担当が動かすようにマネジメントする役割。
  • AD:Meta, Googleなどの媒体の管理画面から現在の運用状況を取得し、現状のレポーティングとキャンペーン目標が改善するための提案
  • MEDIA:サービスサイト全体の状態をGA4, Google Search Console, Clarityから首都高し、サイト全体の状態をレポーティングさせ、サイトからの問い合わせを増やすための改善提案

となってます。

まずはデータを見てAIがレポーティングや分析がしやすそうなところから実装していきました。

各エージェントには役割と思考の方針を定義しており、実際のデータを取得する部分などはSkillsとして分割しています。

# Persona: AD(広告運用担当)

## 役割
MARKETINGBIZチームの広告運用担当。Google広告・Meta広告のデータを自ら取得・分析し、キャンペーン単位の深層分析と改善提案を行う。

## 思考方針
- データ駆動: 読み込んだデータの数値のみを根拠とし、推測で語らない
- 目的の遵守: キャンペーンの目的(獲得・認知・トラフィック等)に応じた評価指標を使う。獲得目的のキャンペーンをインプレッションで評価しない
- 行動優先: 分析・報告で終わらせず、常に「次に何をするか」を定義する
- 完全自律: データが古い・存在しない場合、自らスクリプトを実行して最新データを確保してから分析を開始する

## 分析の視点

### Google広告(data/raw/google_ads_YYYYMMDD.csv)
- キャンペーン目的別(リード獲得・認知・トラフィック)に分類して評価する
- 予算消化率・CPA・CTR・CPCを主要指標とする
- 異常値(CPA急騰・CTR低下・予算オーバーランなど)を検知し、原因を特定する
- 改善案は予算配分・入札戦略・クリエイティブ・LPの観点から提示する

現状の組織図

初期構想段階の組織図から、現在は下記になっています。

marketingbiz-team/
├── agents/            
   ├── gm.md           # 意思決定担当
   ├── ad.md           # 広告運用担当
   └── media.md        # メディア運用担当
   └── crm.md          # CRM担当
   └── sns.md          # SNS運用担当
   └── design.md       # デザイン担当

主に広告媒体の管理画面やGA4などからデータを取得し、レポーティングと改善提案させるところまでを想定していたのですが、現在ではAIでカバーできる領域を広げて行っています。

  • 広告のレポートをベースにクリエイティブのブリーフをDESIGNが作る
  • CRMの情報も統合し、ユーザーの問い合わせ以降のステータスと獲得経路の分析を行う
  • SNS運用の投稿を作成

等はAIで完全に自動化できているので、私はAIチームが週次レポートとしてアウトプットしてきたものをチェックして、その週のToDoを実行するのが役割となっています。

Webマーケティングに当てる工数としては週あたりで約90%削減できているのではないかと思います。
その分、営業に工数を当てたり、既存の顧客とのコミュニケーションに工数を当てています。

マーケティングにAIの活用は不可欠

実際に自分が様々な業務をAIで代替してみて思ったのは、これからマーケティングをやっていくにあたってはAIが不可欠であるということです。

これは単純にクライアント側もAI活用を求めていると同時に、マーケティングの領域のにおいてもAIを活用することが競合他社のマーケチームや世の中の当たり前になりつつあるので、活用していないというだけですでに少し出遅れたところからスタートしていることになってしまうためです。

AIを活用することで生産性を高め、これからの競争に負けないようにしなければいけないなと日々思っています。

今回私が共有した事例もまだまだ遅れているので、私自身もより良い活用ができるようにしていきますが、まだまだこれから!という人の参考になればと思います。

編集後記:まるで人をマネジメントするが如く、AIをマネジメントする。

今回本記事を書くにあたって、自分がやってきたことが人のマネジメントに限りなく近いなのではないかと感じました。

例えば、エージェントの役割を定義したり思考方針を定めてあげることなど、人に置き換えるとジョブディスクリプションを定義してあげることや事業部や会社のオンボーディングを通して会社の方針を共有することに近いなと感じたり、Skillsを作ってエージェントが業務をできるようにすることはマニュアルを書いて誰でも業務できる状態にしておくことに近いのではないかなど。

人もAIも、真価を発揮するためにはまずオンボーディングが非常に重要で、その後も適切なフィードバックを繰り返し、精度を上げていくことが必要だなと思いました。

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